Dinosaur Jr. ダイナソー・ジュニア 「Hand It Over」 ハンド・イット・オーバー


Dinosaur Jr. Hand it Over


Dinosaur Jr.とは?

ダイナソーJr. (Dinosaur Jr.) は、アメリカのオルタナティヴ・ロックバンド。ノイジーなギターサウンドとポップなメロディに乗せた気だるいヴォーカルを特徴とする音楽性により、1990年代のグランジ・オルタナティヴブームの中で人気を得た。wikipediaより (2022年)

自分の中のグランジ・ブームの時に聞く事になったダイナソーJr.

ギターヒーローは誰かと言えば、ダイナソーJr.のJマスキスの名が思い浮かぶ。
彼のソングライティングはジミー・ペイジに近いと感じるのは私だけかな。
メロディアスな旋律とバンドのアンサンブルの作り方が似ている気がする。

単純にダイナソーJr.と言っても解散前はJマスキス、ルー・バーロウ、マーフのオリジナル・メンバーでの活動期間は短い。オリジナルメンバーに固執する訳では無いけれども再結成後にオリジナルメンバーで長く活動してくれているのはリスナーにとっては嬉しい話です。

音に関して言えばBig Muffとジャズマスターというアイテムは欠かせないですね。
弱々しいボーカルとファジーなギターのコントラストが魅力的で、行き場の無いエネルギーや喪失感のようなものに心を掴まれます。

Jマスキスの音楽ルーツが一体どこにあるのかは中々謎ですが、パンクやハードコアを好んで聴きつつもニール・ヤングのカバーをしたりキュアーの《Just Like Heaven》をカバーしていたり。でもそこが彼なりの音楽性を生み出しているのかもしれないですね。


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解散を決意した1997年に発売された7枚目のオリジナル・アルバム「Hand It Over」。

実質Jマスキスのソロプロジェクトとなっている本作はもちろんセルフ・プロデュースですがレコーディングにはMBVのケビン・シールズが参加しているのもポイントですね。
改めてJマスキスのソングライティングの良さを感じます。

ファジーなサウンドと穏やかなトーンが混じり合いエネルギーと虚無感のような哀愁を感じさせるアルバムです。


1. I Don't Think

アイ・ドント・シンク

ハードロックのようなドスの効いたアーミーなリフからエモいロックサウンドに。重ねたファルセットボイスもギターとの対比で心地良く聞こえます。ギターソロは明るくポジティブな雰囲気。



2. Never Bought it

ネヴァー・ボウト・イット

スローなカントリー風の曲調にアルペジオによるメロディアスなライン。フランジャーによる効果やフルートも入り穏やかさも感じますが、ファジーなギターソロも秀逸。



3. Nothin's Goin on

ナッシンズ・ゴーイン・オン

フーファイターズ風のロックサウンド。単調な波打つメロディラインが印象的ですがコーラスの入れ方などもエモいです。ちょっとだけシンセ音的なものも入りアクセントになっています。



4. I'm Insane

アイム・インセイン

行進曲のようなトランペットのメロディが印象的で明るい雰囲気から緊張感のある展開に。
エンディング近くでの上昇フレーズがエモーショナルです。



5. Can't we move this

キャント・ウィー・ムーヴ・ディス

情熱的なギターソロから始まるハードロック・テイストのクールな曲。シンセも入りちょっと切ない雰囲気ですが、曲に面白さを感じる事ができます。



6. Alone

アローン

スロウ・テンポで重いベースサウンドとファズ・ギターによるダークな曲。こういう所はクレイジーホース・ニールヤングの雰囲気を感じさせますね。8分という長尺ですが、やり場の無い気持ちをぶちまけるようなギターソロが展開されています。



7. Sure NOT over you

シュア・ノット・オーヴァー・ユー

ウォームなトーンのアコースティックギター&ピアノ・サウンドと弱々しいボーカルでまったりとした雰囲気を醸し出しています。緩やかなグルーヴ感も気持ち良いです。



8. Loaded

ローデッド

ダイナソーJr.らしいワウ&ファズとうめくようなエレキギターが印象的ですがコードによるフワッとした情緒感も好きです。



9. Mick

ミック

やや明るさのあるメロウでポップな曲。元々、Jマスキスがドラムを叩いていた事もありドラムフレーズとのアンサンブル構成が上手く感じますね。



10. I know yer insane

アイ・ノウ・ヤー・インセイン

やや切なくキャッチーなメロディに心を持っていかれるポップな曲。間奏での情熱的なギターソロはもちろんエフェクトによりブクブクと浮かび上がってくるようなサウンドも印象的。



11. Gettin Rough

ゲッティン・ラフ

バンジョーを使用した軽快な曲ですが、弱々しいファルセットを含むボーカルが何とも言えないまったりとした雰囲気を感じさせます。



12. Gotta know

ガッタ・ノウ

フランジャーやトレモロといった音の揺らぎが心地良く、どことなく爽やかさのあるミディアム・テンポのポップソングですが、濃厚なギターソロは健在です。




Dinosaur Jr. 「Hand It Over」 Written and Produced by J Mascis.